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昨年に引き続き、今年も始まったContent Marketing World(CMWorld) 2018。4日間の本カンファレンスについて、本日から可能な限りレポートしたい。コンテンツマーケティングの潮流を知る一助となれば幸いである。
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今年のテーマは「Game on」
今年のテーマは「Game on」。邦訳すると「ゲーム開始」といったところか。ガイドブックやスライドのビジュアルも、ファミリーコンビューターのゲームを彷彿とさせるデザインとなっている。
この日唯一のセッションは「CMWorldを最大限活用する」と題し、CMWorldの楽しみ方についてのレクチャー。今年もKingman Inkによるグラフィックレコーディングは健在。聞き取れなくてもここで確認できるのでありがたい。
内容は、専用アプリの使い方やクリーブランド滞在中の楽しみ方、ネットワーキングの方法など、主に初めて参加する人に向けたもの。筆者は昨年も参加したが、このセッションに出ると気分が盛り上がるため、今年も足を運んだ。隣の人との3分間自己紹介タイムもあり、英語脳に切り替える意味でも、ぜひお勧めしたいセッションだ。
ちなみに、このアプリは優れもので、自分が参加したいセッションの星印をタップすると、自動的にアプリ内のスケジュールに反映される。また、SNSのような機能もあり、あらかじめプロフィールを登録し、特定の参加者のコードを入力すると、アプリ上で繋がることができる。TwitterやLinkedinのアカウントも登録できるので、仲良くなった人とは、とりあえずその場ではアプリで繋がり、後でSNSでも繋がるということが簡単にできる。
ネットワーキングも海外カンファレンス参加の目的の一つ
海外カンファレンスの特徴として、とにかくネットワーキングの工夫を惜しまない点が挙げられる。朝食時やセッション間、夜のパーティーなど、ネットワーキングの時間がこれでもかというほど用意されている。実はCMWorldはセッションのビデオをオンラインで視聴することもできる(有料ではあるが)。では、わざわざここまで足を運ぶインセンティブは何かというと、ネットワーキングなのだ。
コンテンツマーケターは孤独な稼業である。組織の理解が得られず、板挟みになりがちだし、結果、孤立してしまうこともしばしば。だからといって、オフィスにいるだけで仲間が見つかるかというと、そう簡単にはいかない。こうした経験を持つ人々が、こうして遠方まで足を運ぶのである。
Googleのアルゴリズムアップデートを受け意味合いが変わった
個人的には、今年のCMWorldは、昨年のそれとは意味合いが少々異なっていると考えている。それは、Googleのアルゴリズムのアップデートによるものだ。Googleのアルゴリズムが頻繁に変わり、今夏のアップデートでは、多くのサイトが順位を下げた。単純なSEOでは、こうしたリスクが常に伴う。こうした流れがあり、日本では、今年に入って数年ぶりに「コンテンツマーケティング」がバズワードとなっているように感じる。
こうした状況を受けてか、8月15日にシンガポールで開かれたカンファレンス「Content Marketing Sumitt Asia」では、ストーリーテリングやコンテンツ制作に関するセッションが多かった。これは、高品質なコンテンツを作り、オーディエンスを集めるという考え方のもとだ。CMWorldについては、まだガイドブックをざっと見ただけであり、印象に過ぎないが、「コンテンツ制作」「ライティング」「オーディエンス」「ストーリーテリング」という単語が目立った。やはりSEOに頼り切ったマーケティング戦略は、難しいというのが、世界の共通認識なのだろう。
セッション後に知り合った日本人男性は、バンコク在住のアフィリエイター。今後、SEOだけでは支持されるサイトを作ることは難しいと考えている中、昨年出版された「Killing Marketing」(Joe Pulizzi, Robert Rose著)を読み、オーディエンス創出の重要性に気づいたという。男性は「アップデートの影響をもろに受けたアフィリエイターの中には、スパムに振り切るところも出ている」と指摘。その上で「今後我々は、アフィリエイトだけにとらわれず、コンテンツマーケティングも含めたデジタルマーケティング全体のスキルを身につけていく必要がある」と強調した。筆者としては、アフィリエイト業界がコンテンツマーケティグに注目しているというのは、興味深い流れだと感じた。
コンテンツ制作支援のツールベンダーが目立った
海外カンファレンス参加の目的の一つとして、ツールベンダーのブースを巡ることも挙げられる。スポンサー一覧を見ると、昨年とは入れ替わっていたり、新顔が登場していた。出展者を見るだけでも、業界のトレンドを理解することができる。ざっと見た限り、CRM、MA、コンテンツ制作支援といったツールがあった。ブースについても、時間を見つけてしっかりと見て回りたい。
明日からはいよいよメインカンファレンス。セッションやブースについては、また本ブログにてレポートすることとしたい。