米国で始まったとされ、2010年代中頃から日本で一気に普及したコンテンツマーケティング。普及して間もないマーケティング手法であるがために、国内の情報源は増えてきたとはいえ、必ずしも情報量が豊富とはいえません。また、WEB上にあふれる情報は時に正確性を欠いたものもあり、勉強する際は取り扱いに注意すべきです。

今回は、コンテンツマーケティングに興味関心のある方が安心して勉強できるよう、おすすめの書籍やWEBサイトをご紹介します。また、コンテンツマーケティングを進める上で、知っておきたいマーケティング知識について学べる本も取り上げます。

まずは、コンテンツマーケティングの入り口となる本をご紹介します。これからコンテンツマーケティングに取り組もうとしている方は、ここを出発点にすると良いでしょう。

EPIC Content Marketing: How to Tell a Different Story, Break Through the Clutter, and Win More Customers by Marketing Less

最初にご紹介するのは、コンテンツマーケティング関連記事を配信している米国の「Content Marketing Insitute」の創始者、Joe Pulizzi氏が執筆した本です。Pulizzi氏は「多くの企業がメディア企業へと姿を変えつつある」と、米国の流れについて紹介。そのうえで、コンテンツマーケティングの基本的な考え方や進め方について具体例を挙げながら解説しています。個人的にはコンテンツマーケティングの概念をしっかり学べる意味で、入門書としてぴったりな本だと感じます。なお、翻訳版も出版されているので、そちらを読み進めてもよいでしょう。

Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

コンテンツマーケティングの導入方法について、順序だてて丁寧に解説した良書です。ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作り方、コンテンツを作るときの考え方まで網羅されており、腰を据えてじっくりと読めます。初心者だけでなく、コンテンツマーケティングを実践している方の復習としても役立つでしょう。

WEBサイト

本で基礎を学んだ後は、WEBサイトで応用的な知識を身につけましょう。海外のコンテンツマーケティング関連サイトは良質な記事が多くあり、大変勉強になります。海外の最新のコンテンツマーケティング事情を知ることもできるでしょう。英語を前にひるむかもしれませんが、細かく意味を確認しながら読み進めるというよりも、全体の趣旨をつかむことを意識するのがポイントです。

Content Marketing Insitute

米国のコンテンツマーケティング業界のトップランナー「Content Marketing Institute」のブログは、コンテンツマーケティング関連の記事が豊富にそろっています。コンテンツマーケティングを勉強するうえでは外せないサイトといえます。記事はほぼ毎日追加されており、最新の情報や考え方を学ぶことができます。筆者もブログやメルマガを書く際に頻繁に参考にしています。

記事だけでなく、ホワイトペーパーも配信しています。また、定期的にウェビナー(WEBセミナー)も開催されており、コンテンツの種類が豊富です。

Acoustic

AcousticはAI(人工知能)を搭載したマーケティングツールを提供している米国の企業です。ホームページでブログを掲載しており、こちらもほぼ毎日更新されています。コンテンツマーケティングの記事に特化しているわけではありませんが、マーケティングやコンテンツ制作で参考になる記事が配信されています。最近ではコロナウイルス下でのマーケティングの注意点がまとめられた記事が配信されており、とても勉強なりました。

ブログは最近始められたとみられ、記事の種類は多くないですが、更新頻度が高いため最新の情報を得ることができるでしょう。

LYFE MARKETING

コンテンツマーケティングなどのマーケティング施策のコンサルティング、WEB制作などのサービスを提供する米国の「LYFE MARKETING」もブログを公開しています。こちらも定期的に更新されているようです。コンテンツマーケティングの優れた実例を紹介する記事などが配信されており、実践的な最新情報を得ることができます。

CONTENT MARKETING LAB(コンテンツマーケティングラボ)

今回ご紹介するWEBサイトでは唯一の日本語サイトです。2012年に開設され、コンテンツマーケティング関係の記事が月に1~2本配信されています。記事は「入門編」「応用編」「事例編」「技術編」とカテゴリーが分かれており、初心者から上級者まで、読み応えのあるコンテンツが揃っています。コンテンツマーケティングに興味を持ち始めた方は入門編の記事を一通り読んでおくことをおすすめします。

ニュース

コンテンツマーケティングの最新情報を知るためにニュースを読むことは重要です。ただ、関連ニュースを毎日人力で探すのは大変です。そこで、今回は効率的にニュースを読むためのサービスをご紹介します。

Googleアラート

こちらはGoogleが提供しているサービスです。キーワードを設定してWEB上のコンテンツを抽出します。こちらの場合は企業のプレスリリースもピックアップしてくれます。Googleアカウントの登録が必要ですが、とても便利な機能なので有効的に活用しましょう。

News Picks

WEB上にある経済に関するニュースをまとめて配信しています。気になるニュースは「PICK」ボタンを押すことで残しておくことができます。

最大の利点は、自分が読みたいニュースのキーワードを選定できるところです。例えば「コンテンツマーケティング」というワードをキーワードに設定すれば、関連のニュースが自動的に抽出されます。

コンテンツマーケティングに限らず、マーケティングを進める上では経済の動きを知っておく必要があります。「新聞を読む時間がなかなか取れない」という方にもおすすめできるメディアです。

マーケティングを学びたい場合

コンテンツマーケティングの理解と活用をさらに進めたい場合は、その基礎となるマーケティング理論を学ばなければなりません。「マーケティング」と聞くと敷居の高さを感じてしまうかもしれませんが、基本的な概念は独学でもある程度身につけることができます。筆者自身、マーケティング知識は社会人になった後に勉強しました(現在も勉強中です)。ここでは、その基礎知識を身につけるのに役立つ本を取り上げます。

わかりやすいマーケティング戦略

マーケティングの基本的な考え方を学ぶための第一歩として最適な本です。タイトル通り、とても分かりやすくまとめられています。一見すると難しそうに見える考え方にも例え話が取り入れられており、テンポよく読み進めることができるでしょう。ページ数も決して多くなく、入門書としておすすめできる一冊です。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 成功を引き寄せるマーケティング入門

「マーケティングを勉強したいけど、難しそうで腰が重い」。そんな方にぴったりの一冊です。経営難が続いていたテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市)をマーケティングの力で復活させたマーケター・森岡毅氏による著書です。

マーケティングの概要を全て理解するというよりは、マーケティングを実践する「楽しさ」が分かる本だといえるでしょう。筆者がこの本を読んだのはまだコンテンツマーケティング業界に入る前のことでしたが、「マーケティング」という概念を知ることができた一冊でした。物語として一気に読むことができるため、マーケティングを学ぶきっかけとしてみてはいかがでしょうか。

勉強にはインプットだけでなくアウトプットが大切

ここまで、コンテンツマーケティングの勉強に役立つ本やWEBサイトを見てきました。ここでご紹介したのは全てインプットの手法です。インプットは必須ですが、より知識を自分のものにするためにはアウトプットが重要です。学んだことを実践するのはもちろん、SNSやブログなどで学んだことを発信してみてはいかがでしょうか。うまく書こうとせず、思いつく限りとにかく書いてみることが大切です。書き進めることで、自分の頭の中で知識が整理されていきます。インプットとアウトプットを繰り返すことこそが、コンテンツマーケティングの考え方を身につける一番の近道なのです。