content

コンテンツマーケティングの仕事をしていると「コンテンツって何ですか?」とよく質問いただきます。簡単な質問にも聞こえますが、思いのほか回答が難しい。突然質問されると、どう答えたらいいものか考え込んでしまいます。

「記事コンテンツや動画コンテンツのように、情報を届けるためのフォーマット」と答えたくなりますが、実はこれは誤り。英語辞書をめくると、「content」のページには「中身、内容」と書かれており、「contain」(含む、含有する)と同じ語源のようです。つまり、フォーマットという入れ物ではなく、どういった情報が収められているのか、その中身こそがコンテンツなのです。

実は「content」には「満足」という意味もあります。「be content with」などと使うのが一般的で、「~に満足している」を意味します。以前、セーラー服おじさんこと小林秀章さんとコンテンツマーケティングのイベントでご一緒した際、小林さんが「コンテンツには満足って意味もある。深いよね」と話していたことをよく覚えています。

我々日本人が「満足」と聞くと、反射的に「satisfy」を思い浮かべます。一体何が違うのか。海外在住の友人らに違いを尋ねたところ、「程度の差」と教えてくれました。「satisfy」は十分満たされている、もしくは十分満足しているニュアンスです。一方、「content」は、満足しているけど100%ではない、つまり「まあまあ満足」といったニュアンスなのだそうです。

よくよく考えると、コンテンツだけでペルソナの悩みやニーズを完全に満たすことは不可能です。うまくいって「まあまあ満足」程度でしょう。しかしその積み重ねや、商品・サービスの顧客満足度を向上させることにより、完全なる「satisfaction」(満足)を与えることができる。そう考えると、やはりカスタマージャーニーの重要性が際立ちます。

1本のコンテンツが読まれたとしても、うまくいって「まあまあ満足」程度。これは経験のある方には理解できることでしょう。戦略を描き、それにも続きコツコツとコンテンツを届けていく。ローマは一日にして成らず、はコンテンツマーケティングにも言えることなのです。