インサイドセールスは従来の営業手法(フィールドセールス)と比べて効率を重視する手法です。従来と同じやり方で行動していては、インサイドセールスのメリットを100%受けることができません。従来型の営業からインサイドセールスを活用しアップデートした営業を行うために、どのような人材がインサイドセールスに向いているのか、また必要なスキルについて解説いたします。

インサイドセールスに向いている人材とは?

そもそもインサイドセールスに向いている人材とは、どのような特徴があるのでしょうか。

オペレーションに忠実に活動ができる

インサイドセールスは発生したリードに対し、基本的にはあらかじめ組まれたオペレーションに沿って営業活動を行います。もちろん個人の感触をもとにイレギュラーな対応が求められることもあります。しかし、はじめからなにもルールを守らず、チームが「最適なルート」として組んだオペレーションと真逆のことをして失注してしまう、というのは最悪のパターンです。オペレーションの意味を理解し、それに沿った活動ができる上で、プラスアルファの行動ができるところを目指すべきといえます。

相手を思いやり常識的対応ができる

インサイドセールスはフィールドセールスと違い、直接会って商談を行うことはほぼありません。メールや電話、Web会議が中心の遠隔でのやり取りとなるため、訪問するよりもさらに相手を気遣う行動が必要となります。電話対応は丁寧に行う、メールや問い合わせの返事は素早く行う、相手の業務時間や繁忙時期を調べて連絡する時間帯に気を付ける等々。「最低限の常識が理解できている」状態であれば問題ないでしょう。

インサイドセールスとして必要なスキル

人柄としては「オペレーションに忠実に対応できる」「相手を思いやり常識的対応ができる」の2点が最低限のポイントでした。では、インサイドセールスとして活動するために必要なスキルを具体的に紹介していきます。

データ分析/応用力/管理能力

インサイドセールスとして活動していると、リードの発生から営業個人の活動履歴、世の中の傾向に至るまで、大量のデータが日々集まってきます。これらのデータを取得するだけでは何の効果もなく、読み取り活用する分析力と応用する力がなければ無駄になってしまいます。また、大量のデータをただ集めるだけではすぐにフォルダがあふれかえってしまいます。きちんと管理し、必要なもの・不要なものの選別ができる、データの管理能力も必要といえるでしょう。チームでツールを導入している場合は適切に活動できることもポイントとなります。

ヒアリング力/顧客情報の収集力

見込み顧客の持つ課題や状況に対して適切な提案を行うために重要なのが、ヒアリング力です。多くの顧客は長時間の会話や提案を嫌い、時間をかけずに仕事をしたいと考えています。インサイドセールスは短時間に必要事項を漏れなく聞き出すために、適切な質問をする力が必要です。

また、商談の場で一から十まで質問するのではなく、事前に顧客について簡単な調査を行うことは必須です。見込み顧客の業界や他企業の動向、トレンドをさりげなくアイスブレイクとして商談に入ると、「きちんと勉強してるな」と良い印象を持ってもらえるでしょう。そもそも、見込み顧客企業の会社概要や最新ニュースは最低限チェックしておくのが常識ですよ!(かつて直前の調査を怠り、先方の怒りを買った経験より)

非対面での関係構築能力

先述の通り、インサイドセールスは訪問してフェイスtoフェイスの営業をすることはほぼありません。顔が見えない相手だからこそ、より丁寧に対応することが必要となります。通常遠隔よりも直接会って話したほうが関係構築は簡単です。しかし、すべてのリードに対してフェイスtoフェイスの営業を行っていては効率重視のインサイドセールスのメリットを十分享受できているとは言えません。

非対面での信頼獲得についてはこちらの記事で解説いたしました。
関連記事:「売り込まない営業」のインサイドセールス 非対面でいかにして信頼を獲得するか

トークスキル(商品紹介力)

他のポイントが完璧でも、営業する対象の商品・サービスについて理解できておらず、話ができなければ何のために活動しているかわかりません。商品紹介資料に掲載されているアウトラインは資料を見ずとも説明できるくらい、練習しておくことが理想です。

まとめ

昨今の社会情勢によりインサイドセールスの注目は高まっています。いままでフィールドセールスとして活躍していた営業さんも、インサイドセールス的手法にシフトしていることと思います。向いている人材については基本的にどの営業手法でも必要な素養であり、これまでフィールドセールスとして活躍されてきた方には誰にでも備わっているはずの要素ばかりです。

新型コロナウィルス禍で営業する側、される側双方にメリットが大きいインサイドセールスですが、誤った方法で活動したり、必要な気遣いが欠けたりした状況ではお互いに円滑な仕事ができません。これからも最適な方法で活動するために、どのような営業手法にも通用する人材でありたいものです。

 

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