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コンテンツマーケティングにおけるコンテンツタイプの一つ「記事コンテンツ」は、ロジカルな思考が問われます。記事を書く際は論理的に、軸がぶれることなく作る必要があるといえるでしょう。論理的なコンテンツを作る力は、動画であれ、音声であれ、セミナーであれ、全てのコンテンツ制作に生かすことができます。今回は、コンテンツ制作全般で応用できるポイントに触れながら、記事コンテンツを作る際のコツをお伝えします。
(記事コンテンツの基本についてはこちら)記事コンテンツの作り方 文章を書くコツ
何のために作るのか
そもそも何のためにコンテンツを作るのでしょうか。潜在層にアプローチするためでしょうか。競合との比較に勝つためでしょうか。自社に興味を持っているオーディエンスのエンゲージメントを高めるためでしょうか。
「コンテンツマーケティングを始めたいけど、どんなコンテンツを作ればよいか分からない」と言う方は、まずはコンテンツの「目的」について考える必要があるでしょう。ゴールがはっきりしていないと、コンテンツを作っても効果が上がらず、時間の無駄になってしまいます。
ペルソナ、カスタマージャーニーは考慮されているか
全てのコンテンツはペルソナありきです。「自社のファンとなりうる人物の姿」がはっきりしていないと、コンテンツの内容やテイストがぼやけてしまいます。例えば、ある食品会社のファン層が、「多少高くても健康に気を遣った食品を好む健康志向が高いユーザー」だとします。この食品会社は「免疫力を上げるために取るべき栄養素ランキングベスト10」といった「健康」をテーマにしたコンテンツが必要でしょう。ペルソナを設定することで具体的なコンテンツの姿が見えてきます。
ペルソナを設定した後は、カスタマージャーニーについて考慮することも大切です。ペルソナが今どんな状態にあり、何を考え、どんな情報を求めているのか。「ある課題が発生し、解決策を探している段階」と「解決策は分かっていて、企業ごとのサービスの違いを比較している段階」では求めている情報が全く違います。カスタマージャーニーマップを作ったうえで戦略的にコンテンツを配置していく必要があるでしょう。
(ペルソナとカスタマージャーニーマップについてはこちら)コンテンツマーケティングとは? 定義と仕組み、コンテンツの種類を解説
顧客からよく尋ねられる問いは何か
顧客からの質問はコンテンツ作りにおいて重要なヒントになります。よく尋ねられる質問に回答するよう、コンテンツを作っていけば良いのです。営業担当がいれば、その担当に聞けばいいでしょう。または自社ホームページに質問フォームを設け、顧客からの質問を受け付けるのも一つの方法です。
米国のプール施工会社「リバープールアンドスパ」は、コンテンツマーケティング界隈では有名な企業です。同社は顧客に尋ねられることに応える姿勢を徹底し、コンテンツを作り続けています。例えば、同社のブログには「家にプールを設置する前に知るべき6つのこと」や「インフィニティプールとは何か? コストやアイデアなどFAQ」といった記事があります。コンテンツ作りにおいて大いに参考になるため、同社のブログはチェックしておきましょう。
オーディエンスの検索意図に隠れている潜在意識は何か
検索ワード一つをとっても、ユーザーの求めている情報は多岐に渡ります。例えば「絵 描き方」という検索でも「しっかりと基礎から学びたい」のか「子どもと一緒にお絵かきを楽しみたい」のか、検索意図はさまざまです。ユーザーが本当に求めている情報は何か、といった視点を持ちながらペルソナとカスタマージャーニーマップに照らし合わせながらコンテンツの内容を考えることが重要です。
そもそも検索されているか、競合が多すぎないか
検索について触れましたが、コンテンツを作る際に考慮すべきなのは「検索ニーズ」「検索ワードの競合度」です。コンテンツマーケティングはニッチなサービスを展開している企業はぜひ取り組むべきですが、コンテンツの構成については考えなければなりません。あまりにニッチ過ぎる情報を詰め込んだコンテンツを作っても、そもそも調べるオーディエンスがいなければ、コンテンツは見てもらえません。また、あまりに調べられすぎているワードで作っても、コンテンツは埋もれてしまいます。「検索ニーズもあり、競合度もそれほど高くないワード」をもとにしたコンテンツ作りを意識しましょう。検索ワードについては、キーワードプランナーやエイチレフスといったツールを活用しましょう。
(SEOについてはこちら)SEO(検索エンジン最適化)とは? コンテンツマーケティングに取り組むうえで押さえておきたい基本
オーディエンスに寄り添った文章になっているか
記事コンテンツを作るにあたり、オーディエンスに寄り添った表現にしなければなりません。ここでも、やはり大切なのはペルソナです。例えば、自社のサービス、業界に対しての理解が深いオーディエンスであれば、専門用語を使った深い内容の記事を書くべきでしょう。しかし、予備知識が少ないオーディエンスに向けた記事では、極力専門用語を使わず、平易な表現を用いるべきです。
そのほか、文章を書くうえでは一文が長すぎると読みにくく、オーディエンスファーストの表現とは言えません。また、文章全体の長さも気を配るべきでしょう。これもまたペルソナありきです。忙しいビジネスマン向けの記事ならば短めに、といった配慮をすることも大切です。
テーマがぶれていないか
書き始めると、「あれも書きたい」「これも書きたい」と、アイデアが思い浮かんでくることがあります。アイデアが思いつくのはいいことですが、書き始めた当初のテーマがぶれてしまい、結局何について伝えたかったのか分からなくなってしまうケースがあります。「コンテンツの目的は何か」「コンテンツのペルソナは誰か」ということを念頭に置きながら書き進めましょう。思い浮かんだアイデアはメモしておき、次のコンテンツ作りに生かしましょう。
小見出しを付けないまま書き始めていないか
コンテンツのぶれを防ぐために、小見出しを最初に決めた上で書き進めることが大切です。はっきりとした小見出しを付けられなくても構いません。「この小見出しで書く内容」を箇条書きのような簡単な形で記載した上で、書き進めましょう。小見出しは記事コンテンツの道しるべのようなものです。「どう書き始めたらわからない」「聞く進める自信がない」という方は、小見出しを付けることから始めてみましょう。
画像を使っているか
画像を効果的に使うことで、見やすいデザインとなります。文字だらけの記事コンテンツを見ると、それだけで読む気持ちがなくなってしまいます。記事だからといって、全てを文章だけで説明する必要はありません。例えば表やグラフなど、文章が分かりやすくなるのであれば積極的に用いるようにしましょう。画像の使用も、オーディエンスファーストのコンテンツ作りには欠かせません。
自社のことではなくオーディエンスが知りたいことを伝えよう
コンテンツではオーディエンスに寄り添い、オーディエンスが知りたいことをありのままに伝えることが大切です。ついつい自社が伝えたいことを伝えてしまいがちですが、それではコンテンツマーケティングの利点を消してしまうことになります。「顧客にとって有益な情報を適切なタイミングで届けること」がコンテンツマーケティングの考え方です。この視点を見落とすことなく、真摯にコンテンツを作り続けていきましょう。