コンテンツマーケティングを始める「きっかけ」は、各社それぞれ。様々なきっかけを紐解くことで、コンテンツマーケティングへの正しい理解が深まります。どういったきっかけがあるのか、ご紹介します。

PVがコンバージョンにつながらない

SEO対策によってキーワードを獲得し、流入数も十分。しかし、そこから問い合わせや契約獲得につながっていない。そこからSEOのみの対策に疑問を抱き、コンテンツマーケティング戦略を取り入れてみよう。こうしたきっかけは本当に多いものです。

コンテンツ戦略に力を入れ、SEO対策が奏功すると、流入が増えます。しかしSEO対策だけでは、トラフィックが増えても、それでおしまいです。購入をゴールとしている場合は、訪問者に対し購入を促す全体戦略が必要です。

基本的には、訪問者の「購入意欲」を育てることが必要となります。はじめに作ったカスタマージャーニーマップで、自社メディアに訪れた人はマップのどこに位置するのか、また態度変容を促すためにはどういった情報が必要なのか、把握してください。

コンテンツによって流入が増えたとしましょう。例えばBtoBであれば、より詳細な情報を提供するホワイトペーパーなど資料のダウンロードを促したり、営業担当が商談の機会を得るための商談受付窓口(ボタン)に誘導したりする設計が考えられます。

設計時においても、まずはペルソナとカスタマージャーニーマップを振り返ってみてください。はじめに立てた戦略に立ち返ることで、マーケティング戦略全体の中で迷子にならずに取り組めます。

コンテンツマーケティングは結果が出るまで取り組む期間も長いですし、やることもたくさんあります。焦らず丁寧に取り組んでいきましょう。

コンバージョン率の高いコンテンツをつくるための5つのヒントはこちらの記事で詳しく紹介しています。

コンバージョン率の高いコンテンツをつくるための5つのヒント

洗い出したすべてのキーワードをコンテンツ化してしまいこれ以上やることがない

洗い出したすべてのキーワードをコンテンツ化してしまいこれ以上やることがない。これもコンテンツマーケティングに取り組むきっかけとして一般的なものです。

これはよくあるパターンの質問です。前提としてコンテンツマーケティング=SEO対策と勘違いして一生懸命取り組んできたものの、効果が出た・出ないにかかわらずもう作るべきコンテンツがわからないという状態です。

関係のあるキーワードをすべて並べ、SEOコンテンツとして制作していくことは今や一般的となってしまいました。戦略がない状態でもひたすら手を動かすことになるため、「やっている感」がとてもあるものです。

しかし、戦略がないため、いざ効果が出なかったときに方針転換することが難しくなります。どこを修正すればよいのか、足せばよいのか引けばよいのか。

でも、ご安心ください。これまでにひたすら作ってきたものはムダにはなりません。まずは戦略を見直し(ない場合はきちんと立てるところから)コンテンツを精査するのです。

これまでに作ってきたコンテンツを整理。足りないコンテンツとそうでないコンテンツを洗い出しましょう。足りないコンテンツは、全体設計やスケジュールを見直した上で制作に入ります。いらないものを再編集、マージなどして再利用できるかもしれません。「もうやることがない」ほどコンテンツがたまったのであれば、新規での制作は一旦ストップして、振り返りの機会を設けましょう。

制作した大量のコンテンツの活用方法がわからない


これまでいろいろとコンテンツを制作、公開してきたが大量のコンテンツの活用方法がわからない。こうした漠然としたお悩みから、コンテンツマーケティングにたどり着く方もいらっしゃいます。

多くの企業でコンテンツマーケティング=コンテンツSEOと勘違いされており、世の中は良くも悪くもコンテンツだらけになってしまいました。誰に向けて作られたものなのか不明なコンテンツ、活用されていないコンテンツも多く、戦略なき大量生産がまかり通ってしまっています。

これからは、制作したコンテンツをただ公開して終わりではなく、再利用・再活用することでリソースのムダを減らし、何らかの企業利益につなげることを意識しましょう。

具体的にはどのようにすればよいのか。

今回、整理するのはメディアに公開した記事コンテンツと仮定します。まず制作したコンテンツの棚卸しをした上で、リスト化してみましょう。たくさん読まれているものもあれば全く誰も訪問してこないもの、CVに大きく貢献しているものとそうでないものもあるでしょう。
現時点で活躍しているコンテンツに急いで手を加える必要はありません。一方、目標達成に貢献していないコンテンツは削除したり、情報を見直し再編集・マージしたりすることで、活躍するコンテンツに生まれ変わる可能性があります。

現在活躍しているコンテンツについては、新たな出し先を検討してみましょう。自社メディアに公開している記事コンテンツを営業資料として印刷物にまとめたり、いくつかに分けてメールマガジンで配信したりと、コンテンツを再利用することも可能です。新たな層の目に留まり、思わぬリードが生まれるかもしれません。ぜひ検討してみてください。

既存コンテンツを再利用する方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

既存コンテンツを再利用する方法

広告しか手をつけてこなかったがとにかく効果がない

これまでマーケティングについて力を入れてこなかった企業がマーケティングに取り組む場合、一番手を付けやすい施策に広告運用があります。しかし、年々広告の効果が薄くなってきています。人々が情報を得る手段が増えたことが最大の要因です。そもそも、テレビや街頭など大きな広告をそもそも見ない人が増えました。見たとしても、広告のターゲットに当てはまらないケースもあるでしょう。YouTube広告に代表されるように、広告を忌み嫌う風潮にもなりつつあります。

結果、広告の効果が出なくなり、コンテンツマーケティング戦略を検討する方もいらっしゃいます。

とはいえ、広告が全く無意味だとは思いません。広告を運用するのなら、まずは自社で売り込んでいきたい商材・サービスのペルソナを検討しましょう。その上で、広告を打っていくのが良いのか、または戦略をたててコンテンツを制作し、ゆっくりと関係構築して購入に至ってもらうのが良いのかを決めます。

コンテンツマーケティングに取り組むと決めたならば、まずはミッションやゴールからカスタマージャーニーマップをしっかりと検討、コンテンツ制作の計画を立ててください。

何をゴールとするのかを定めなければ、そこから先の戦略がブレてしまいます。大きな方向転換が不安であれば、広告に充てていた予算やリソースを、少しずつコンテンツマーケティングに移していくことも有効です。

 

よくわからないが、上からコンテンツマーケティングをやれといわれた


率直に「なんかよくわかんないけど上からコンテンツマーケティングをやれと言われた」という現場の方も多いようです。コンテンツマーケティングを「魔法の杖」と捉えている典型例です。これまでのマーケティング施策がうまくいかなくなり、上司の方が「新たな取り組み」としてコンテンツマーケティングに目をつけたのでしょう。

コンテンツマーケティングには相性があり、業界や組織によっては導入が難しいケースも多いもの。まずはコンテンツマーケティングによって、ミッションやゴールを実現できるかどうかを検討すべきです。

とにかく手を出せばいいということではなく、もしかしたら広告をそのまま頑張ってもらう方が効果的な場合も存在します。オウンドメディアにこだわらず、LINE@の運用だけで事足りるケースもあるでしょう。

もし、コンテンツマーケティングが自社にフィットするとなれば、ペルソナやカスタマージャーニーを作成。その上で、ペルソナの現在地ごとに打ち出すコンテンツを企画、発信していきます。効果測定や軌道修正をしながら、PDCAサイクルを回していきましょう。

数年前ではあまりなかったことですが、コロナ禍によるオンライン化の加速もあり、いろいろなメディア・媒体で「コンテンツマーケティング」という文字を目にするようになりました。普及したこと自体は嬉しいのですが、コンテンツマーケティングはきちんと戦略を立ててそれを実行してこそ効果が出るものです。片手間で始めて中途半端にならないよう、最初にきちんと検討し、かつしっかりとした戦略を立ててください

まずコンテンツマーケティングとは何かを学びたい方はこちらの記事で詳しく紹介しています。

コンテンツマーケティングとは? 定義と仕組み、コンテンツの種類を解説

始めるきっかけはいろいろ

ここまで、コンテンツマーケティングをはじめるきっかけについて考えてきました。

もちろんここに挙げたシチュエーション以外にもコンテンツマーケティングをはじめるきっかけはありますが、共有して主張してきたことは「コンテンツマーケティングは魔法の杖ではない、戦略をきちんと立てることが必要」です。

やはり日本のマーケティング界ではシンプルなSEO対策と広告施策が今もメジャーであり、効果がなく難しいと感じてから他の方法を模索し、コンテンツマーケティングにたどり着くケースが多いです。

SEO対策はキーワードをもとに戦略立てますが、コンテンツマーケティングではもっと奥深く、ミッションやゴールから戦略を立てていきます。安易に完結する戦略ではありません。大変ですが、正しく取り組めば結果に繋がります。ぜひ時間とリソースを割いて、取り組んでください。