インサイドセールス立ち上げのためには、まず「管理ツールの導入とデータ管理」「インサイドセールスメンバーの管理」「PDCAの設定(営業活動から振り返りを行うまで)」が必要です。営業する業種、商材により導入形態はさまざまですが、本稿では私が経験した月額課金制のクラウドサービスを営業すると想定した場合の、インサイドセールス立ち上げのためのチェック項目を並べています。
(1)管理ツールの導入とデータ管理
□ 現状、見込み顧客と既存顧客から取得している情報を整理する
□ 管理ツールを利用する人を整理する(インサイド、フィールド、役員層、開発…)
□ 料金、必要情報を入力・編集できる製品を複数並べる
□ 活動内容を入力する場所をいつでもカスタマイズできるものに絞る
□ 選定したら管理者をセクションごとに設定する
□ 現状の顧客情報を新ツールに流し込む
□ 管理者以外のメンバー用利用マニュアルを作成する(後で書き足せる形式とする)
□ メンバーにアカウントを発行する
□ 導入後、使いづらい点など意見募集し、管理者で対応する体制と対応順序を作る
(ツールに入力する顧客データの例)
□ 顧客名
□ 顧客名の読み方
□ 所在地(訪問可能かどうかの判断、都内と横浜駅周辺は〇、その他は×など)
□ 電話番号(代表電話なのか、担当者直通なのか)
□ メイン担当者名・部署名・役職名(と読み方)・メールアドレス
□ サブ担当者名・部署名・役職名(と読み方)・メールアドレス
□ 決す者名・部署名・役職名(と読み方)・メールアドレス
□ 連絡可能時間帯
□ 検討内容(どのサービスを導入希望なのか)
□ 導入予定時期
□ 予算帯
□ 利用人数
□ 情報システム部の有無(システムのため、IT用語を使ってよいか否かの判断)
□ リードソース(HPのフォーム入力か、サポートデスクに電話なのか、検索からの流入なのか)
□ これまでの自動メール履歴
□ これまでのメール履歴
□ これまでの電話履歴
□ これまでの訪問履歴
□ キャンペーン利用の有無
□ サービスの利用状況(契約すみか、否かの判断のため)
□ その他注意事項(お昼休憩は12時~ではなく13時~、19時終業など)
(2)インサイドセールスメンバーの管理
□ 既存顧客数と新規リード数から必要メンバーを検討する
□ 営業の流れをマニュアル化し、全員に研修を行う
□ 利用するコミュニケーションツールの使用方法やルールーを明確化する
□ 個々人の目標と担当分野を割り振る
□ 営業活動以外の委員会を担当させるようにする(例:マニュアル更新担当、振り返りミーティング担当、法務管理担当、開発部門との橋渡し担当など)
□ 一定期間ごとにチームの再編成や席替えを行う
□ 全員が新人教育をできるようになる
(3)PDCAの設定(営業活動から振り返りを行うまで)
□ P:営業部門全体の目標からインサイド・フィールドチーム毎の目標を設定する
□ P:目標達成のために必要なリード数、金額を設定する
□ P:インサイドセールスメンバー個人に対し、年間リード数、金額を設定する
□ P:年間目標からメンバー個人の月ごと(週ごと)の獲得数と金額を設定する
□ D:リードの確度ラベリング方法を決める
□ D:リードの確度事にどのような対応方法とするかを決める
□ D:インサイドセールスからフィールドセールスへのパスポイントを設定する
□ D:解約率、メール開封率など収集するデータ項目を決める
□ D:インサイドセールスが営業をかける際、必ずヒアリングする事項を決める
□ C:個人、全体の目標に対する達成率を確認する
□ C:なぜ達成できたのか、できなかったのかをデータから導く
□ C:なぜ達成できたのか、できなかったのかを営業個人の感覚を集める
□ C:データと感覚をもとに次期の新しい施策を立てる
□ C:前期に立てた施策が有効に働いたかを振り返る
□ A:Cで立てた新しい施策を実行する。違和感に気づいたらすぐに修正を行う
まとめ
業種や営業する商材により対応内容も導入時に必要な準備もそれぞれですが、大枠である「データ管理」「メンバー/マニュアル管理」「PDCA管理」3つのポイントは変わりません。これら項目を事前に念入りに準備し、運用中に修正の必要が生じた場合はすぐに対応できるよう、取り出しやすい場所で管理しておきましょう。
<関連書籍>
野口優帆『40分でインサイドセールスの考え方がわかる本』
野口優帆『続・40分でインサイドセールスの考え方がわかる本』