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BtoBのコンテンツマーケティングで意識するべきこととは何なのでしょうか。また、どういったコンテンツが必要なのでしょうか。今回は、BtoBのコンテンツマーケティング成功のためのポイントを考察します。
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BtoBならではの注意点
まずはBtoBのコンテンツマーケティングを考える上で、考慮しなければならない点を確認してみましょう。
- ステークホルダーの多さ
- 検討、決定に時間がかかる
- 専門性を持ったコンテンツが求められる
- 営業部隊との連携がカギを握る
BtoBならではの注意点としてまず挙げられるのは、ステークホルダーが多いという点です。サービス、製品の導入で現場レベルでは盛り上がっていたのに、最後の最後で幹部にひっくり返された、というのはよくあるケースです。
またBtoBでは大きな金額が動くため、検討、決定に時間がかかりがちです。新しいサービスを導入する場合でも「そもそもどんなサービスなのか」「そのサービスを導入することによるメリットは金額に見合っているのか」、すでに導入しているサービスで他社に変更を検討する際にも、「変更によるメリットはあるのか」「なぜ変更する必要があるのか」という検討を何人ものステークホルダーが行うことになります。つまり、サービスを売り込む側からすれば、多くの人を説得する必要があるのです。
また、BtoBの場合は、潜在顧客や見込み顧客がサービスについての事前知識を持っていることも多く、専門性を持ったコンテンツが求められます。そのため、ホワイトペーパーやウェビナーなどのコンテンツが必要なケースも多いでしょう。さらに、BtoBのコンテンツマーケティングではコンバージョンをリード獲得に置く場合が多く、インサイドセールスなどの営業部隊との連携がカギを握ります。インサイドセールスについては下記の関連記事を参照ください。
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(関連記事)「売り込まない営業」のインサイドセールス 非対面でいかにして信頼を獲得するか
BtoBのペルソナ設定とカスタマージャーニーマップ
BtoBのコンテンツマーケティングのペルソナ設定、カスタマージャーニーマップで意識すべきこととは何でしょうか。
先述の通り、BtoBの場合はステークホルダーが多くいます。そのため、実際に対面する担当者だけでなく、決定権を握る幹部についてもペルソナ設定を行い、どんな情報が求められるか考えた上でコンテンツを用意する必要があります。また、カスタマージャーニーマップのどの段階でどのステークホルダーが登場するかを考えてコンテンツを配置していくべきです。
とはいえ、「顧客にとって有益な情報を適切な手法、タイミングで届ける」というコンテンツマーケティングの考え方がぶれることはありません。大切なのは「顧客はどう考えるか」という想像力です。
BtoBのコンテンツマーケティングで成功している企業の特徴
BtoBのコンテンツマーケティングで成功している企業の特徴には、どんなものが挙げられるでしょうか。
まずは、商品やサービスがニッチな場合は、コンテンツでも差別化がしやすいといえます。これはBtoBであれBtoCであれ変わらないことですが、ニッチな部分をカバーしているBtoBの中小企業は有利といえるでしょう。
筆者が「中小企業こそコンテンツマーケティングに取り組むべき」と度々主張する理由はここにあります。もし新しい商品やサービスを考える場合は、「痒いところに手が届く商品、サービスであるか」ということを考えましょう。このように見てみると、商品、サービスの開発段階でコンテンツマーケティングの考え方を用いるとよいということが分かります。
また、SEO観点から見たテクニックでもありますが、コンテンツの作り手が専門性を持った人であることを示すため、コンテンツには名前とプロフィール、顔写真を添付しましょう。より専門性を持ったコンテンツが求められるBtoBでは重要な要素となります。
また、BtoBのコンテンツマーケティングについての調査をまとめたContent Marketing Institute(CMI)の記事によると、コンテンツマーケティングを展開しているBtoB企業で成功のカギを握るキーワードが2つあることが分かります。それは「効果測定」「サブスクライバー」です。
記事によると、コンテンツマーケティングが成功したと感じているBtoB企業の94%がコンテンツの効果測定を行っており、60%がサブスクライバーを得ているということです。一方、コンテンツマーケティングがうまくいかなかったと感じているBtoB企業で効果測定を行っている企業は60%、サブスクライバーを得ている企業は25%と、大きく差が出ていることが分かります。
効果測定を行う重要性は以前から主張されていいたことではありますが、今後はコンテンツのサブスクライバーを得ることがBtoB企業のコンテンツマーケティング成功のカギを握りそうです。検討に時間がかかるからこそ、定期的な情報発信が求められているのではないかと推測されます。
CMIの記事で紹介されている「BtoB顧客がコンテンツに望んでいる5つのこと」
ここでCMIの記事をもう一つご紹介します。こちらの記事では、BtoB顧客がコンテンツに求めている5つの要素を取り上げています。
記事では以下の5つが紹介されています。
- 上司を説得するための素材
- 自社の商品、サービスを検討対象から外すべきでない90字以内の理由
- 商品、サービスに対する詳細な説明
- 事例紹介
- 社内関係者に商品、サービスを売り込むための手助け
このように見ると、カスタマージャーニーマップの検討、比較、購入といった中盤から後半の段階で役に立つコンテンツが求められていることが分かります。そして、90字以内とわざわざ字数制限をしているのは「簡潔かつ分かりやすいコンテンツ」が求められているということでしょう。このようなケースでは、データなどを可視化したインフォグラフィックコンテンツが有効といえるでしょう。
自社に足りないコンテンツはないか再点検を
前述の通り、BtoBであれBtoCであれコンテンツマーケティングの本質は変わりません。一方、担当者の社内調整を助けるようなコンテンツが求められという点はBtoBのコンテンツマーケティングの最大の特徴といえます。自社に足りないコンテンツはないか再検討してみましょう。
クマベイスではBtoB企業向けコンテンツ制作サービスを提供しています。コンテンツマーケティングに精通したディレクターが指揮をとり、「顧客の行動を促す」コンテンツをマーケティング視点から企画します。コンテンツの制作者は元新聞記者、雑誌記者、プロのビデオグラファーなど、経験豊富な人材が揃っています。BtoBに特化したコンテンツ制作を検討されている方は、ぜひご相談ください。