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集まってきたリードにインサイドセールスが営業をかける際、必要になるのはインサイドセールスのトークスキルだけではありません。もちろんシナリオ通りに商談を進めるコミュニケーション能力も必要ですが、それ以外に事前に準備できる材料、つまりコンテンツがあります。今回はクロージングの武器となるコンテンツの準備について説明いたします。

営業活動にコンテンツ制作が必要な理由

インサイドセールスをする企業、商材には多くの場合ホームページやオウンドメディアが存在しており、そこにコンテンツを出し続けることは非常に有効です。コンテンツを公開するだけでなく、そのコンテンツを顧客のフェーズに合わせて送付するなど提示しながら商談を進めると、新たに資料を作るより効率的で効果的な場合もあります。

企業が何かを購入・契約する際、ひと昔前の営業とは違いすぐには営業マンを呼びません。現在はインターネットが普及しているため営業マンを呼んで商品説明を受けるのではなく、多くの購入担当者は自分でインターネットを用いて調査する方法をとります。一度に複数社の製品を比較できたり、自分が欲しい情報を中心に効率よく集められたりと、結果的に検討が早く進められると考えているからです。また、現在は新型コロナ感染対策もあり、顔を合わせての打ち合わせは避けられています。

ただしインサイドセールスにとって、この傾向は追い風です。なぜなら商材が顧客の要件を満たしていれば、オンラインで効率よく営業できるからです。顧客が集めたいと思っている情報を、適切な内容に編集、適切なタイミングでコンテンツとして公開し届けましょう。もちろん顧客に届くためには対象の検索キーワードでページ上位を獲得する工夫をしたり、顧客が情報を探す場所(媒体やプラットフォーム)を正しく把握したりして、情報を発信し続ける「戦略」がとても重要です。

商材に興味を持たせる・商材の理解を進めるコンテンツ

こちらはマーケティング部門の領域になりますが、リードを発生させるため、またはすでにリードとなっている顧客の関心や契約確度をさらに高めるためにコンテンツが不可欠です。

ターゲットがまだリードとなっていない状態でコンテンツが届けば、商材に興味を持ってもらえるほか、理解を深めるコンテンツが目に留まりやすく、スムーズに次の検討フェーズに進んでもらうことが可能です。結果、問い合わせ獲得につながります。

◆情報収集フェーズのコンテンツとしておすすめの内容

  • 機能や特徴の紹介
  • 業界のトレンド
  • 商材に関連するキーワードを学習できるコンテンツ
  • 簡単な料金帯

購入担当者の背中を後押しするコンテンツ

商材の説明ができ要件を満たしているかなど確認ができたら、先方の購入担当者も購入のための社内稟議に向けて準備をはじめます。しかし、意外にもこのフェーズで踏みとどまってしまい、購入や契約に至らないというケースが多く存在します。

そこで、商材の機能や料金について購入担当者が十分に理解でき、社内稟議など購入に向けての準備に入ったとわかったら、担当者の背中を後押しするコンテンツを提示してきます。あまりにたくさん提示してしまっては逆効果になる場合もありますので、様子を見ながら適切な情報を選択して与えましょう。

◆顧客の社内稟議フェーズのコンテンツとしておすすめの内容

  • 他社製品との比較(良い面も悪い面も含めて)
  • 商材導入によるBefore~After、事例の紹介
  • 購入する場合のスケジュールや手順
  • 運用開始後のサポート体制や連絡先

トークスキルだけでなく確かな情報で信頼を獲得

いくら営業担当がいい人で印象がよくても、さすがにそれだけでは購入の決め手にはなりません。きちんと購入の検討をしていただくためには必要な材料を適切なタイミングで提供することが大切です(逆に必要とされている情報を提供できなければ検討対象が他社に移っていってしまいます)。いつもの商品紹介の資料だけでなく、これまで購入してくれた顧客がどんな情報を求めていたのかを洗い出し、コンテンツとしてホームページやメディアにストックしていくのはいかがでしょうか。リード獲得の種になりますし、スムーズに商談を進める材料にもなる財産となりますよ。

<関連書籍>
野口優帆『40分でインサイドセールスの考え方がわかる本』
野口優帆『続・40分でインサイドセールスの考え方がわかる本【実務編】』
野口優帆『新・40分でインサイドセールスの考え方がわかる本【withコロナ編】』

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SalesZine「ひとりではじめるインサイドセールス」(外部リンク)