顧客や潜在顧客の潜在ニーズと顕在ニーズの把握は、コンテンツマーケティングにおいて極めて重要なものです。特に、カスタマージャーニーマップ(戦略)の作成やコンテンツ企画の際には、不可欠な作業といえます。本稿では、潜在ニーズと顕在ニーズの意味、把握する方法、活用方法について解説します。

ニーズとウォンツ

ニーズ(needs)とよく混同される概念に、ウォンツ(wants)というものがあります。文字通り、その人が「欲しい」「したい」と思っていること・ものです。しかし、これは戦略設計やコンテンツ企画においては使いづらいもの。なぜなら、コンテンツマーケティングにおいては、「ペルソナの悩みを解決する」という視点で戦略を考えていくことが一般的であり、ここで欲求自体はあまり役に立たないからです(商材によっては役に立つことも当然あります)。

ウォンツの裏にはニーズがあります。「欲しい」「したい」と感じた時点で、その理由=ニーズが生まれているといえます。「なぜそれが欲しいのか」「なぜそれをしたいのか」を、本人に問い続けたり、場合によっては想像したりすることで、ニーズを明らかにしていきます。

結論がすぐに出るケースもあれば、繰り返し質問してようやく結論が出ることもあります。この結論や、質問の過程で出た回答こそが、ニーズです。ニーズの近くには、「悩み」が落ちています。その悩みを、あなたの商品やサービスで解決する、という文脈で戦略を立案していってください。

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顕在ニーズとは

顕在ニーズとは、顕在化したニーズ、つまりすでに本人が自覚しているニーズです。

Googleで検索する際、単語を入力すると、検索予測が表示されます。試しに「肩」と入力してみると、一番上に「肩こり」と表示されます。この検索予測に従って「肩こり」と入力してみると、今後は「肩こり 解消」「肩こり ツボ」などと表示されました。これらは明らかに本人が自覚しているニーズであり、顕在ニーズと呼べるものです。

例えばカスタマージャーニーマップの「認知」のフェーズにおいては、コンテンツSEOを活用する場面も多々あります。ここでは、検索されるような顕在ニーズを明らかにした上で、タイトルを企画していくやり方が一般的です。

潜在ニーズとは

潜在ニーズは本人が自覚していない、潜在的なニーズを意味します。本人ですら気づいていないニーズであるため、マーケターが把握するためには努力が必要です。最も確実な手法としては、やはりウォンツに対して「なぜ」と繰り返し質問していく、先述の手法でしょう。

顕在ニーズの場合は、すぐに結論が出ます。例えば「吉野家で牛丼を食べたい」というウォンツがあったとします。「なぜ牛丼を食べたいと思ったのですか」と本人に質問すると、ほぼ間違いなく「おなかが空いたから」と答えるでしょう。「空腹を満たしたい」というのが、本人の自覚する顕在ニーズのようです。

一方、潜在ニーズの場合は、「なぜ」を重ねてどんどん深掘りしたりしていく必要があります。先ほどの「吉野家で牛丼を食べたい」というウォンツで考えてみましょう。

「なぜ牛丼を食べたいのですか」
「おなかが空いたからです」
「なぜおなかが空いたのですか」
「午前7時から12時間以上何も食べていないからです」
「なぜランチを逃したのですか」
「膨大な数の顧客を抱える営業職で、ランチに行く余裕がなかったからです。最近疲れているので、サクッと牛丼でも食べて、家でゆっくり休みたいですね」

ここまでのやり取りで、本人は多忙なビジネスパーソンで、時間に余裕がない(=悩み)ことが分かります。また、「食事に時間をかけたくない」という潜在ニーズを持っているようです。

潜在ニーズを掘り起こせばビジネスが加速する

先ほどの深掘り作業については、質問の方向性を変えることも有効です。例えば「なぜ吉野家なのですか」と尋ねれば、「安い、早い、うまいからです」などと、吉野家を評価する回答が得られるでしょう。そこから、潜在ニーズを読み取ることができます。

本人にヒアリングできない環境では、マーケターなどが想像していくしかありません。とはいえ議論する上では、何らかのファクトが不可欠です。行動データや質問サイトの質問文、アンケートなどを参考にするのがよいでしょう。

コンテンツマーケティングの出発点は、顧客のニーズや悩みをとらえることにあります。特に、潜在ニーズについては、独自性のあるコンテンツや、場合によっては商品・サービス開発にもつながりうるものです。潜在ニーズの掘り起こしは、ビジネスを加速させるといってもよいでしょう。作業自体は非常に大変な潜在ニーズの掘り起こしですが、ぜひとも入念に行うようにしてください。