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「オーディエンスにとって有益な情報を適切なタイミングで配信する」ことが大切であるコンテンツマーケティング。クマベイスブログ内でコンテンツマーケティングのノウハウをお伝えしてきましたが、改めて成功に必要なポイントをまとめてみます。これからコンテンツマーケティングを初めてみようと考えている方はもちろん、すでに始めている方もできていない部分がないか確認してみましょう。
(コンテンツマーケティングの基礎についてはこちら)コンテンツマーケティングとは? 定義と仕組み、コンテンツの種類を解説
(コンテンツマーケティング成功のポイントはこちら)コンテンツマーケティング成功のためのチェックポイント
コンテンツマーケティングのゴールは設定できているか
そもそもの話になりますが、皆さんはなぜコンテンツマーケティングを始めようと思ったのでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響により、「新たなプロモーションの方法を考えなければ」と、半ば突貫工事のような形でコンテンツを用意したパターンも最近では見受けられます。そのような場合、「何となくコンテンツを用意したけど結果が出ているのか。そもそも結果とは何を指すのか分からない」といった状況になりがちです。これでは、コンテンツマーケティングとは呼べません。
まずはコンテンツマーケティングで成し遂げたいゴールを明文化しましょう。後述するCTAにも関わってくる部分ですが、「新規顧客を増やしたい。そのために問い合わせフォームからの問い合わせ月間〇件を達成したい」「既存顧客のエンゲージメントを高めたい」といったように、具体的に設定してください。
自社の強み、弱みを整理できているか
コンテンツマーケティングはマーケティング戦略です。そのため、マーケティングに必要な自社の分析は欠かせません。自社の強み、弱みを整理しましょう。自社のことを知ることで、コンテンツの方向性も定まってきます。
よく使われるフレームワークは3C分析とSWOT分析です。3Cは市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)から自社の課題を浮き彫りにします。SWOT分析は自社を取り巻く内部環境と外部環境のプラス、マイナス要因から戦略を考えます。まずは自社のことを深掘りしましょう。
運営チームは組めているか
コンテンツマーケティングは質も担保しつつ、定期的なコンテンツ配信が求められます。継続性が求められるため、一人で運営することは難しいでしょう。米国では10人規模で運営しているチームもあるほどです。
ではどんな役割が必要でしょうか。まずは呼び名はともかく、「ディレクター」「コンテンツマーケター」「CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)」のような、コンテンツマーケティングの責任者を置くべきです。責任者を専任で置くのです。ほかに、「ライター」「編集者」「KGI・KPI分析」の役割も必要です(兼任も可)。オウンドメディアを運営するのであれば、自社サイトのデザイン調整をする「デザイナー」もいると心強いでしょう。動画コンテンツに取り組むのであれば、ビデオグラファーも必要です。
ディレクター(責任者)は、全体の戦略設計やコンテンツの企画を行います。ライターがコンテンツを作成し、編集者がそれを整えます。PDCAを回していくため、KGI・KPIの達成度合いを確かめる人も必要です。自社で内製化する場合は、そのようなチームが組めるかも確認しましょう。
ペルソナは設定できているか
ペルソナ設定はコンテンツマーケティングに欠かせません。コンテンツを用意しても、それが誰に向けられたものなのかはっきりしていないと、ぼやけた内容になってしまいます。
ペルソナとは、「自社のプロダクトを利用する代表的な顧客(人物)像を詳細に描いたもの」です。まるで実在するように設定していき、名前、年齢、性別、職業、居住地、家族構成、年収、趣味、生活スタイル……などを挙げていきます。自社のプロダクトをよく利用する顧客にインタビューして導き出すのも良いでしょう。
カスタマージャーニーマップに基づいてコンテンツを考えられているか
カスタマージャーニーマップとは、オーディエンスがプロダクトについて「認知」「情報収集」「比較検討」「購入」する段階での「状況」「心理」「知りたがっていること」「情報を得るためにどのような行動を取るか」を表したものです。コンテンツマーケティングに重要な「適切なタイミング」を知るカギを握ります。カスタマージャーニーマップに沿ったコンテンツを用意することで、コンテンツマーケティングを適切に行うことができます。
逆に言うと、ここが固まっていないと「ただコンテンツを配信している」という状況になりかねません。コンテンツマーケティングの肝となる部分ですので、きちんと設定できているか確認しましょう。
認知 | 情報収集 | 比較検討 | 購入 | |
状況 | 縦型洗濯機が壊れて新しいものが欲しい | ドラム式洗濯機を検討 | メーカーをある程度しぼった | ドラム式のメリット、デメリット、機能も理解した上で購入機器も決定 |
心理 | ドラム式洗濯機の購入を考えているが、よく分からない | 選ぶ基準はどうすればいい? | どのメーカーにしょうか悩んでいる | 本当にこの商品でいいか?もし壊れてしまった時の保証は? |
知りたがっていること | ドラム式のメリット、デメリット | 選ぶ基準 | メーカーごとの機能の違い | 実際に動いている様子、保証内容 |
行動 | ネット検索、友人に聞く | ネット検索 | 各メーカーのホームページやカタログを見る | 動いている様子を動画で見る、保証内容を確認する |
コンテンツ | 縦型洗濯機とドラム式洗濯機の比較記事 | 具体的な機能と選ぶ基準を伝えるホワイトペーパー | 実際に自社のドラム式洗濯機を使用している人のインタビュー記事 | 動いている様子の動画、保証についてホームページ上で説明 |
カスタマージャーニーマップの例
(※スマートフォンで閲覧される場合、端末を横向きにすると表が見やすくなります)
適切なチャネルで配信できているか
カスタマージャーニーマップを作成し、コンテンツの内容を決めたとしても、配信するチャネルを適切に選ばなければ元も子もないでしょう。「コンテンツマーケティング=オウンドメディア」となりがちですが、チャネルはウェブだけには限りません。あくまで、「ペルソナにコンテンツが届くためにはどれが適切か」という視点が重要です。全てはペルソナ起点なのです。
また、オウンドメディアでコンテンツを展開している場合でも、それを拡散させるチャネルは必要です。SNSの利用も考えられますが、種類はさまざま。SNSの特性を知ったうえで、どのチャネルが適切か検討しましょう。
(SNSについてはこちら)SNSマーケティングの基礎 コンテンツマーケティングでSNSはどう活用できるか
配信スケジュールの管理はできているか
コンテンツは継続的に配信しているからこそ意味があります。新聞やテレビなどの従来からあるメディア媒体は信頼度が高い媒体と認識されていますが、それは継続的に、毎日情報を配信しているから、というところも要因の一つだと考えられます。毎日とは言わないまでも、週に一度配信するべきです。カレンダーでコンテンツ配信を管理しましょう。
適切にCTAは設置できているか
質の高いコンテンツを作成していても、CTAの位置が悪いと無駄になってしまいます。分かりやすい位置にCTAを設置できているかチェックしましょう。コンテンツの導入部分に設置するのが良いのか、終わりの部分に設置するのが良いのか、またはどちらにも設置するのが良いのか。さまざまなパターンでオーディエンスの反応を試してみましょう。設置しすぎると逆効果な場合もあるため、「適切に」設置しましょう。
振り返りは行えているか
コンテンツを配信し、そのまま効果の振り返りも行わず放置した状態にはなっていないでしょうか。そもそもKPIは設定できているでしょうか。KPIは最終目標であるKGIを達成するための「道しるべ」のようなものです。KPIは具体的な数値で表し、定期的に振り返りを行いましょう。
既存のコンテンツの情報は古くなっていないか
既存のコンテンツの情報は古くなっていないでしょうか。特に、新型コロナウイルス感染症により変化した情報、状況があるため、点検することが必要です。また、コンテンツはアセット(資産)です。古くなったコンテンツをリライト、または複数コンテンツのマージによって新しいコンテンツを生み出すこともできます。既存のコンテンツが再利用できないか、確認してみましょう。
コンテンツマーケティングに即効性は求めない
ここまで、コンテンツマーケティングのチェック項目をご紹介してきました。本ブログでも常々申し上げていますが、コンテンツマーケティングに即効性はありません。そのため、効果がなかなか出ず、焦りを感じている担当者もいるでしょう。しかし、オーディエンスに寄り添うことで、着実にエンゲージメントを高めることができます。根気強く、あきらめることなく取り組んでいきましょう。